新世紀GPXサイバーフォーミュラ
SOUND TOURS -ROUND 1-
~ORIGINAL SOUNDTRACK COLLECTION~
リマスタリング試聴スペシャル
リマスタリング試聴スペシャル公開にあたり
開催を予定していました試聴会が残念ではありますが中止となりましたので、イベントの擬似体験を楽しんで頂くという発想で、当企画を公開することになりました。公開内容は実際のイベントを想定したコンテンツとなります。
●オリジナルとリマスタリング音源の試聴比較
●進行役の今井誠氏(オーディオユニオン吉祥寺店)試聴選曲プラン
●マスタリング・エンジニアの小林良雄氏(JVCマスタリングセンター代官山)へのQ&A
●使用予定していたハイエンド機器の紹介
今作のリマスタリングにあたりエンジニア小林さんに依頼した内容は、ずばり「バンドサウンド」でした。BOX CD封入のスペシャルブックレット取材で、福田監督と作家の大谷幸さんからのコメントにヒントがありました。現代の音楽は打ち込みを主としたサウンドが多くありますが、本サウンドトラックはほぼバンド編成(ストリングスも生)で構成されています。更にメインテーマ曲はG・GRIPやダイナマイトシゲなどバンドサウンドです。そのアンサンブルをより立体的に、容積に対して密度を上げて欲しいとリクエストしています。それが表現できたら2020年のサウンドとして発表できるかも、と思った次第です。
当然ながらMIX DOWN(マルチトラック録音した複数チャンネルを調整し、2チャンネルにまとめる作業)を終えている音源(2チャンネル)ですので、「ベースを上げる」とか「ボーカルを上げる」など楽器毎の調整はできませんが、「ボーカルをよりふくよかに」「スネアドラムをもっと前に」など聴感上感じられるニュアンスを小林さんに伝え、周波数帯域の細かなポイントを狙う、医療の世界で例えるなら西洋医学とも言えるプロフェッショナル技を駆使し、何度かリテイクを重ねながら完成に至りました。
最後に本コンテンツを楽しんでいただけた皆さんに、新世紀GPXサイバーフォーミュラSOUND TOURSアンバサダーとして感想などSNS等でリポートいただけると嬉しいです。(#新世紀GPXサイバーフォーミュラ)宜しくお願いします。
新世紀GPXサイバーフォーミュラSOUND TOURSディレクター 中澤亮司
リスニング・インプレッション
dues新宿の試聴会で進行役だった今井誠氏(オーディオユニオン吉祥寺店)による選曲とコメントをいただきました。
●選曲リスト
『新世紀GPXサイバーフォーミュラ BGM ROUND I』より
I’ll Come -G・GRIP- / DANGER ZONE / MOON DRIVING / Winners -G・GRIP-
『新世紀GPXサイバーフォーミュラ BGM ROUND II』より
STRUGGLE
『新世紀GPXサイバーフォーミュラ 11音楽集』より
THE KNIGHT / Winners -DYNAMITE SHIGE-
『新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO音楽集1』より
THE WORLD CUP
『新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO音楽集2』より
RESURRECTION / BE ON FIRE
--最初のサントラCDの発売から約30年が過ぎる間に時は20世紀から21世紀へと移り、音も新世紀のモノへと進化しています。
リマスタリング盤の音源すべてに言えるのはよりワイドレンジに自然な音調になっていること。
一音一音の輪郭がクリアになり、低音の沈み込みが良くなり、高音域は粒立ち良く空間が広く再現されます。
切れ味の非常に高いダイナミズムあふれる音ですね。
最新のオーディオシステムは30年前と比べるとデジタル音源の再生能力が大幅に向上しており、それに相応しい音になっています。
ヴォーカル曲では声が滑らかに厚みが増し、より実体感を伴った表現に。
声、日本語って常日頃から耳に入ってくるじゃないですか。
なので聞こえ方に違和感があると一番分かりやすいのは日本語の「声」ですが、新盤はその辺りがよりナチュラルに聴こえます。
「Winners」を2バージョン選んでいるのは男女の声の違いを感じていただきたかったからです。
また、前に出てくるヴォーカルとバックのサウンドとの奥行き感に深みがあり、立体感が以前より増しています。
さらにいくつかの曲ごとの注目ポイントを上げさせていただくと…
「DANGER ZONE」…金管のきれいに上に吹き抜ける感じが非常に気持ちいいです。気分がとてもアガりますね!今回の選曲の中ではレースの激しさが一番伝わる曲かと。
「BE ON FIRE」も同様の選考理由です。テンポの早い曲はどれも迫力増し増しです!
「MOON DRIVING」…スローテンポな曲なので、旧盤と比べてそれぞれの楽器の空間への響き方の違いが分かりやすいかと。余韻がきれいに出ますね。楽器ではヴァイオリンが一番違いが分かりやすいです。
「THE WORLD CUP」でも音の響き方などは同様な点に注目していただきたく…
「STRUGGLE」…出だしの低音のおどろおどろしい感じの出方の違いに注目していただけると面白いです。新盤の方がより下の方まで音が伸びているのにブーミーにならず、解像度の高い低音です。
「RESURRECTION」…曲の途中からの変化が楽しめるかなと思い選びました。40秒ぐらいからの変化の音はなにか可愛いリズムですよね?
この辺り注意して聴いていただけると新しい魅力が発見できるかと思います。
音の良さレッドゾーンへ!!
オーディオユニオン吉祥寺店 今井誠
マスタリング・エンジニア小林良雄Q&A
リマスタリングを担当した、JVCケンウッド・クリエイティブメディア マスタリングセンター小林良雄氏に今井誠氏からのアンケートをQ&A形式で答えていただいました。
――今回のリマスタリングに使用したマスター音源の保存状態はどの様な状態だったのでしょうか。
テープの状態はDATということを考えれば良かったといえます。
DATはアナログテープなどと比べるとテープ厚がとても薄いため、少々の劣化でもエラーや
走行不良を起こしてしまいます。もしも問題が起こった場合は基本的にお手上げとなってしまいます。
今回、無事に再生しWAVデータに出来ましたので、音質はほぼ当時のままと考えても良さそうです。内容を確認したところ、曲間や音量感などが調整されていましたので、おそらくU-maticマスターの コピーではないかと思います。(44.1KHz,16bit)
「ほぼ当時のまま…」というのは再生機の違い程度ですが、U-maticマスターと比べれば一段劣ります。
――リマスタリングに辺り想定したユーザーターゲット層はございますでしょうか。
ターゲットはもちろん当時のファン層ですから、現在の40・50代が中心となります。
――30年近く前の音源ですが、30年前と現在ではCDに求められる音の特性は違うものでしょうか。特性が違うとの事であれば現代的な音への調整はどのように?
「特性」が違うわけではありませんが、30年前ですとEQ&コンプを施しての作業がメインでしたので音圧も含め割とそのままな感じでCDマスターを作成していたと思います。
しかし現在は一部のジャンルを除き、ハードコンプ、ハードリミッティングが当たり前ですから、
マスタリング作業では各音源の質感を損なわないように進めています。
――今回のリマスタリング作業でもっとも注意された点は?
30年前の音源を現代風にマスタリングするわけですが、ファンの人たちには当時の音が記憶として残っていますので、そのイメージを損なわず、且つ現代的にを意識して作業しました。
新世紀GPXサイバーフォーミュラSOUND TOURS -ROUND 1- ~ORIGINAL SOUND TRACK COLLECTION~ パッケージ公開
オリジナルとリマスタリング音源比較
「新世紀GPXサイバーフォーミュラ BGM ROUND I」より
『I’ll Come -G・GRIP-』
オリジナル音源
リマスタリング音源
『DANGER ZONE』
オリジナル音源
リマスタリング音源
『MOON DRIVING』
オリジナル音源
リマスタリング音源
『Winners -G・GRIP-』
オリジナル音源
リマスタリング音源
「新世紀GPXサイバーフォーミュラ BGM ROUND II」より
『STRUGGLE』
オリジナル音源
リマスタリング音源
「新世紀GPXサイバーフォーミュラ 11音楽集」より
『THE KNIGHT』
オリジナル音源
リマスタリング音源
『Winners -DYNAMITE SHIGE-』
オリジナル音源
リマスタリング音源
「新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO音楽集1」より
『THE WORLD CUP』
オリジナル音源
リマスタリング音源
「新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO音楽集2」より
『RESURRECTION』
オリジナル音源
リマスタリング音源
『BE ON FIRE』
オリジナル音源
リマスタリング音源
予定していた試聴機器の紹介
試聴会のお話しをいただいた時にそれを鳴らす機器をどうするか。
レースが主体のアニメでありますので、まずは迫力の再現だけは外せない。
そしてリマスタリング音源を聴く前から機器の選定は始めていましたが、おそらくは現代的なワイドレンジな音に変化しているのは間違いないだろうと(その予感は良い方向に的中するのですが…)
現代的な音域の広い音源の再生に追随でき、尚且つ迫力のある音がきれいに前に出てくるスピーカーシステム、「JBL L100 Classic」の一択でした。
前へと音がグイグイ楽しく伸びてくる、なのに緻密さもある良いスピーカーです。
それを鳴らすプリメインアンプはこの組み合わせで昨秋に聴いて好印象だった「Mark Levinson No.5805」ここまで来たらCDを再生するのは同ブランドのオーディオプレーヤー「Mark Levinson No.519」に決まりました。
非常にクリアでパンチのある現代的なアメリカンサウンドをお楽しみいただく予定でした。
オーディオユニオン吉祥寺店 今井誠
マスタリングエンジニアである小林さんより「バンドサウンドとして現代に蘇らせる」というコンセプトを頂いておりましたので、その趣旨を実現すべくケーブル達を選びました。XLRケーブルに使われている「TUNAMI TERZO V2」、そして電源ケーブルに使われている「TUNAMI V2」はどちらも低音の再生能力に優れており、特に重低音に関しましては唯一無二とも言える表現力です。更に弊社店舗・オンライン限定モデルの電源タップ「OCB-1 AX」はバンドサウンドの肝である中域の表現に定評があり、手前味噌ながら良きセットアップになったのではと思っております。今回は残念でしたが、また次回を楽しみにしております!
オヤイデ電気